今回のテーマは「ワーケーションが失敗する理由 – 旅と仕事を両立させる考え方」です。
SNSを見て、ワーケーションやノマドワークが描く理想的な労働形態に憧れる人も多いと思います。
かつては、フリーランスや経営者の特権とも言えるライフスタイルでしたが、コロナ禍をきっかけにテレワークが普及し、様々な企業がワーケーション取り入れるようになりました。
しかし、実際にやってみると、
ワーケーションは仕事の効率が上がらなくてメリットを感じないなぁ。
ワーケーションはプライベートと仕事の境が曖昧で、思ったより楽しめなかった。
このように「想像とは違った…」と感じる方もも多いのではないでしょうか?
この記事では、フリーランスとして10年以上活動しながら日常に旅を組み込んできた筆者が、ワーケーションに取り組む際の考え方と、その成功の秘訣について紹介します。
理想の裏に隠された落とし穴を明らかにし、それらを乗り越えることで、本当に求めていた働き方を実現する方法を探ります。
あなたの思い描くライフワークバランスの実現に向けて、失敗する理由を確認しつつ、成功への道筋を一緒に考えてみましょう。
Marc (@marc_freelancer)
- 歴10年以上のフリーランス&ノマドワーカー
- 全都道府県への旅行達成済み
- 神社仏閣参拝数100以上
- 日本100名城の達成進捗70%
- 沖縄離島の総宿泊数80日以上
ワーケーションが失敗するのはなぜ?
筆者は今まで何度も仕事仲間とワーケーションをしてきましたが、楽しめていないという人には共通点があります。
それは、ワーケーション中に「普段と同じ仕事をこなそうとしている」ということです。
まずは具体的な失敗事例を確認し、次にその根底にある原因について考えを書いていきます。
具体的な失敗事例
以下がワーケーションのおいてよく挙がる失敗事例です。
十分な準備と計画ができていない
ワーケーションの成功は、事前の準備と滞在計画に大きく依存します。
この両方がしっかりできていないと、仕事の結果を求める気持ちと、旅行を楽しみたい気持ちがジャグリングし、結果両方に悪影響を及ぼしてしまいます。
環境による問題
- 現地に到着したらWiFiやスマホの回線状況が思ったより良くなかった
- 作業デスクが思ったより小さかった
- 移動によって機器が壊れた・紛失した
これらのように、現地で初めて体感したこと、移動中や滞在中のトラブルにより、予定していたことが完了できないということもしばしば発生します。
コミュニケーションの問題
ワーケーション中は、そうでない同僚や取引先とのスケジュールの違いから、対応時間差やコミュニケーションのズレが発生しがちです。
さらに慣れない環境やツールを使うことで、業務に支障が出るケースも少なくありません。
過度の期待
普段の通勤・出社への反動から、SNSでよく見る「PC1台で旅しながら稼ぐ」的な聞こえのいい言葉の刷り込みを受けていませんか?
「いつでもどこでも自由に仕事できたら」
そんな理想を最初は抱きがちですが、実際にはメリットだけでなく、デメリットも多くあることを再認識することが重要です。
周囲の理解不足
例えば「家族とワーケーション」みたいなパターン。
本人は旅先で仕事する気でいるけど、自分以外は旅行のつもりで行っているので、そこで温度差が発生してしまいます。
また、ワーケーションできる部署とできない部署、といった場合も理解不足が発生し、感情的なトラブルに発展することもありえます。
失敗の根底にある原因
「普段と同じ仕事をこなそうとしている」ということがなぜ失敗につながるのか?という主観的な考察です。
意外と忘れていること
こういった人の多くが忘れがちになっているのは「仕事は場所に紐づいている」ということです。
ちょっと極端な例を挙げると、鉄道運転士は電車に乗らなければ運転はできないし、職人は現場に行かないと仕事はできません。
こういったフィジカルや場所に依存する仕事については「あたりまえじゃん」と容易に想像できるのですが、PCやインターネットを主体にした知的作業においては、意外と抜け落ちてたりします。
インターネットは仕事する場所の垣根をかなり低くしましたが、それでも0にはなりません。
仕事において「場所の重要性」を完全に排除することはできないのです。
実は気づいているけど放置している
出社している時は「今やってる仕事は会社でなくてもできるのに…」と思ったりしますよね。
しかし、実際に家でテレワークしてみると「何かやりづらい」という経験をした人も多いのではないでしょうか?
(会社で使っている)いつもの椅子、いつものキーボード、いつもの気軽なコミュニケーション。
こういった、ちょっとしたことができない積み重ねで、仕事の効率や集中力は落ちてしまいます。
テレワークという軸が加わったからこそのこの気付き、放置したままワーケーションしていませんか?
何が言いたいかというと…
「やり慣れたこと+いつもの場所」が揃ってこそ成果が出せる。
冒頭で挙げた「普段と同じ仕事をこなそうとしている」という失敗の理由は、つまるところ、いつもと場所が変わるだけで「やり慣れたことでもできなくなる」ということなのです。
- 準備不足・計画不足のままワーケーションへ
- 何かやりづらい
- いつも通りにならなくてイライラ
- そんなメンタルだと旅行も楽しめない
- そしてトラブル発生
- こんなところまで来てなにやってんだ
- ワーケーションつまらん
てな具合ですかね。
人間の能力って実はそれくらい曖昧なもんなんじゃないかなぁと思っています。
偉そうに語ってますが、旅行好きが祟って何度も失敗した実体験ですw
ワーケーションを成功させるコツ
ここまで、ワーケーションが失敗する理由について話してきました。
ここからは「ワーケーションを成功させるコツ」について書いていきます。
成功のためにはまずマインドの変更が必要です。
それは何かと言うと、
旅先で仕事する
のではなく、
旅の合間で作業をする
この様に意識を切り替えることです。
仕事する場所や環境が変わったのに、働き方を変えないのはうまくいくはずがない。
以下でワーケーションを成功させるための方法を具体的に提示します。
大前提
- 自分はフリーランスになった!旅先だって仕事できる!
- SNSでワーケーションしてることろをシェアしたい
こんな「旅しながら仕事する自分」が目的の人は失敗する可能性が高いです。
大前提として、
- 忙しい時
- 重い作業がある時
- 仲間と頻繁な連携が必要な時
これらを避けるだけで成功の確率は上がります。
成功までのステップ
一つ前の「ワーケーションの失敗事例」をもとに、成功までのステップを整理します。
ワーケーションの予定を立て始めたら、それに向かって仕事やスケジュールを整理しましょう。
遠足のしおりのような時間を明記したスケジュールを立てます。
15分刻みぐらいで、仕事ベースではなく、旅を楽しむための予定を立てるがポイントです。
ワーケーション中にやる予定のタスクを、
- 予定した時間で完了・目処を付けられる
- それだけに没頭できる作業
- 無思考に近い形で片付けられるルーチンワーク
この3つ基準に、作業を細分化していきます。
- 新幹線や飛行機の移動中
- 乗り物の待ち時間
- ホテルチェックインのための待ち時間
- 朝起きた1時間・寝る前の1時間
などなど。
立てたスケジュールの中でスキマ時間を見つけ、何を、いつ、どこでやるかを明確に決めます。
STEP3とSTEP4はかなり重要です。
旅行という特殊な環境下で、時間を区切って細かいタスクを次々と完了していくだけで、めちゃくちゃ満足感が上がります。
- ポケットWiFi
- モバイルディスプレイ
- モバイルバッテリー
- 予備のケーブル
といった、仕事の快適性を高めるもの、故障や紛失に備えたものを準備しましょう。
旅先で一番テンションが下がるのが「電話」
そして電話してくる人に限って、
- 話がまとまってない
- 大した用事ではない
- 要件が終わった後の長電話
- 急ぎの見積もり(見積もり出した後は音信不通)
といったことがほとんど。
真面目な人ほど際限なく問い合わせを受け、焦ってしまう人が多い気がします。
顧客との関係性によりますが、適切に無視するスキルも重要です。
「出張なので電話ではなくメールかチャットでお願いします」
こんな一言を事前に言っておくだけでかなり違います。
ワーケーションのおすすめは「普段とは全く違う仕事」をやること
一番のおすすめはこれです。
- 新規サービス合宿
- 副業ワーケーション
これらが特に向いてると思います。
新規サービス合宿は、関連したメンバー全員が、
「ワーケーション中は新規サービス開発に注力しよう」
というような共通意識を持つことで、ワーケーション中という期間限定ということもあり、劇的な成果が出る可能性があります。
副業ワーケーションについては、本業とかけ離れることで、他者に迷惑をかける不安やプレッシャーから開放され、疑似フリーランス体験ができるともいます。
まとめ
僕自身のワーケーションの目的は日常のルーティンをぶっ壊す「アクセント」です。
旅行中にできるレベルの作業を明確化し、短期集中でタスクを多数消化していく。
これはつまり「ワーケーションでは大きな成果を捨てよう」と同義です。
いつもと同じように顧客と連絡を取り合い、
いつもと同じように手を動かし、
いつもと同じ時間作業する。
そもそも旅しながらこんなことは無理です。
「成果を捨てた仕事ってどうなの?」
と思うかも知れませんが、フリーランスはもとより、会社員にとっても稼ぐということは短距離走ではなくマラソンです。
効率は落ちるけどメンタルが上があがる、だから戻った後更に頑張れる。
そんな「休憩」の一つのバリエーションとして、ワーケーションというものがあってもいいんじゃないかなと思います。
ワーケーションに興味がある方は、是非今回の記事を参考に旅と仕事のワークバランスを見つけてみてください。