- フリーランスとして独立を考えている
- どのくらいの貯金額があった上で独立するべきかの目安を知りたい
- 貯金が少ないため独立してやっていけるか不安
こんにちは、Marcです。
今回は『フリーランスになる時に必要な貯金額』がテーマです。
お金があればあるほど行動を起こしやすいけど、どこかで区切りをつけないと始まらない。独立を目指す人にとってこのような悩みを抱えている方も多いと思います。
この記事では、実際に僕が独立した際の体験談も織り交ぜながら、必要貯な貯金額の算出方法とその理由についてまとめています。
これから独立を考えている方にとって、一つの意見として参考になればうれしいです。
フリーランスになる時に貯金は必要?
他の人のデータをみてみる
実際に独立した人がどうだったのかは気になるところですよね。東京海上日動あんしん生命が運営する『マネコミ』というサイトに参考になる情報がありました。
最初のグラフを見てみると、約半数が100万円以下の貯金額です。業種によって必要な経費に差があるとは言え、みんな思い切ってスタートしているんだなと思いました。
2つ目のグラフは興味深いです。
貯金額「0~10万円未満」の53.8%が「実家暮らし」だったのに対し、「1,000万円以上」では「ひとり暮らし」「夫婦2人暮らし」がそれぞれ42.9%を占めたのです。
出典:みんなのお金のギモンを解決する、情報コミュニティ マネコミ
何と実家暮らしが約半数。多少の家賃を家に入れているとは思いますが、家賃負担が少ないということは大きなメリットです。
やはり、生活コストが安く済むということは新しいチャレンジにも積極的になれるということですね。
本記事の前提条件
フリーランスと一言で言っても様々な職種があります。貯金が「必要」「不要」だけでなく、人によって生活様式も違うので、その金額についても一概には言えません。
なので、本記事では僕と同じ『Web関連の仕事(主にエンジニア系)の場合』という前提で話を掘り下げていこうと思います。
貯金以上に大切なこと
結論から言うと、Webエンジニア、プログラマーについては貯金がなくてもフリーランスとして独立は可能です。
理由は飲食店や販売業とは違い、在庫の購入や設備投資に関わる費用が少ないということが挙げられます。
しかし、貯金が少なくて済む代わりに、一般的なビジネススキル以外にも様々な知識の蓄積が必要になってきます。
エンジニア、プログラマーとして独立する場合、お金自体の貯金よりもこちらの方が極めて重要です。それが一体何なのかを説明する前に、そもそもですが『フリーランス』という言葉の意味を見てみましょう。
フリーランス(英: freelance)は、特定の企業や団体、組織に専従しておらず、業務委託により自らの技能を提供することにより社会的に独立した個人事業主である[1]。日本では法令上の用語ではないが、自由業または自由職業[2]とも呼ばれる。この形態により請け負った業務を遂行する人をフリーランサーまたはフリーエージェントとも呼ぶ。
フリーランス – Wikipedia
Wikipediaからの引用ですが、フリーランスになるということは自分の力で仕事を遂行する技能が必須なわけです。
エンジニアの場合で言う技能は、
- ITやWebに関する深い見識
- 世の中の便利なツールの理解
- 物事の構造化と問題解決能力
- プログラミングスキル
- 要件の把握や調整のためのコミュニケーション能力
一例ですがこういった能力のことです。
これらを一言で、『技術力』と言うこともあり、上記の『知識の蓄積』とはフリーランスとして活動する上の『技術力』のことを指しています。
『技術力』が資本となって行う仕事なので、貯金がある・なし以前に継続的に(様々な)案件をこなすことができるスキルを身につけることがもっとも重要です。
貯金があると精神的に楽になる
「貯金がなくても独立が可能」とは言ったものの、結論を言うと、エンジニアやプログラマーとして独立を目指す場合は「貯金はしておくべき」ということが言えます。
上記で解説した通り、エンジニアとしての『技術力』があれば、必要なお金を稼いでいくことができるのですが、それはあくまで理屈上の話です。
開業したばかりの時はどんなに技術力があってもそれを認知している人が少ないです。そのため、最初の段階では『仕事を受託する』ということに一番大きなエネルギーを割くことになります。
仕事を取ってやっとこさ納品、しかし次の仕事が決まっていない…こんなことは独立初期に関わらず、独立から何年もたった人でも起こりがちです。
それを回避するため、納品するための仕事をしながら新規の営業も行うわけですが、これがいわゆる『自転車操業』と呼ばれる状態です。
休むと継続収入が絶たれるというプレッシャーもあり、当然忙しく動くことになります。この結果、休む習慣がなくなって体調を崩すという本末転倒なことになりかねません。
独立時に貯金があれば体調不良の時に休むこともできますし、仕事が取れない時期でも生活を維持できる期間の目算は立てやすいです。
僕の場合の独立前の貯金額
それでは、僕の場合は実際にどれくらいの貯金がある状態でフリーランスになったのかを振り返ってみます。
当時の状況
- システム開発会社の社内SE
- 新卒入社3年目
- 手取り月収22万円弱(年1回月収ほどのボーナスあり)
- 貯金額は250万円弱
当時の状況はこんな感じです。
ベンチャー寄りのシステム開発会社で、ネットワークやらフロントエンド(HTMLやCSS)まで、広く浅く作業を行っていました。
月収は当時の年齢としては一見悪くないですが、馬鹿みたいに残業があり、そのみなし残業代が含まれた金額です。
貯金額は250万円弱。2年目の途中までは実家暮らしだったこと、残業が多くて遊びや趣味にほとんどお金を使っていなかったこともあり、まぁまぁ貯金できたなと言う感じです。
入社時から独立を視野に入れていたものの、何か明確な根拠があってこの金額を貯めたわけではありません。
独立後の3年間の事業収入(年収)推移
- 1年目:約80万円
- 2年目:約140万円
- 3年目:約600万円
1年目と2年目は今見返すとかなりやばいですね笑
会社員時代と同様の生活水準を維持するには250万円程度の手取り年収が必要です。
最初の2年はそれを割り込んでいるので、貯金を切り崩しながらかなりカツカツの生活だったのを覚えています。
結局いくら貯金が必要なのか?経験上からの回答
人によって生活に必要なお金は十人十色だと思うのでなかなかの難しいですが、僕が考えると必要な貯金額の目安は以下の通りです。
独立初年度の所得(手取り)の見込みが独立前の3分の2くらいの場合
→ 独立前の手取り年収くらい
独立初年度の所得(手取り)の見込みが独立前の3分の1くらいの場合
→ 独立前の手取り年収の1.5倍以上
言葉だけだと分かりづらいので、以下で具体的な数字で説明していきましょう。
例)独立前の手取り年収が300万円の場合
独立初年度の見込み所得が200万円だとしたら、貯金額は300万円くらいが目安。
独立初年度の見込み所得が100万円だとしたら、貯金額は450万円くらいが目安。
といった感じです。
独立後に収入が安定してくるまで、頑張ったとしても2年位はかかる可能性が高いです。上記の目安はこの2年程度事業を継続することを見越した金額になります。
事業収入と貯金を含め、2年程のキャッシュフローが見えれば、「来月の生活費がない!」といったことにもなりません。
事業の継続が厳しそうな場合も撤退・再就職の計画も立てやすくなります。
独立前と同等かそれ以上稼げる場合
こういった場合は、
- 会社から仕事を引き継ぐ形で独立
- 会社の取引先から仕事を貰う形で独立
- 副業をうまく継続収入にできたので独立
といった形で独立できた方かと思います。
フリーランスとして独立後も収入が維持できそうな場合、貯金を意識することなくスタートしてしまうのもありです。
しかし、注意は必要です。フリーランスは会社員と違い『労働者』という扱いにはなりません。
『解雇規制』という言葉もある通り、従業員を解雇するハードルは高いものの、業務委託者は時に突然契約を切られてしまうこともあります。また、労災や失業時の保護も手薄です。
同じ年収を稼げていても社会的な立場としては弱くなってしまうリスクを頭の隅に置いておきましょう。
まとめ
フリーランスとして独立する際に貯金がどのくらい必要なのかは、
- 最低限必要な生活コストの割り出し
- 独立後の収入予測に基づくキャッシュフローの作成
- 最低事業期間の設定(最低限どれくらいの年数は頑張るか・うまくいかなかった場合の撤退のタイミング)
これらを元に算出して計画的に貯金をしていきましょう。
そして何より。エンジニアやプログラマーとして独立を考えている場合は、計画的な学習プランを立てて自分の技術力を高めるように取り組んでいくことが大事です。
勉強法や役立つ情報についてはまたの機会に紹介させて頂きたいと思います。