- 伊勢神宮とはどんな神社なのか
- 伊勢神宮に祀られている神様
- 伊勢神宮に参拝する際の注意点
- 伊勢神宮の式年遷宮
Marc (@marc_freelancer)
- 歴10年以上のフリーランス&ノマドワーカー
- 全都道府県への旅行達成済み
- 神社仏閣参拝数100以上
- 日本100名城の達成進捗70%
- 沖縄離島の総宿泊数80日以上
こんにちは、Marcです。
この記事では『伊勢神宮に参拝する前の基礎知識』を解説します。神社や歴史に詳しくない方でも分かりやすいよう、要点を絞ってまとめていきたいと思います。
伊勢神宮は、全ての神社の中でも最も特別な存在です。事前に基礎的な知識を覚えてから参拝することをおすすめします。
僕自身も何度も訪れていますが、実際に行ってみると『特別』の意味も納得。自然に囲まれた美しいお宮を目の当たりにすると、その荘厳さに魅了されてしまうはずです。
伊勢神宮とはどんな神社なのか
一般的には『伊勢神宮』と呼ばれていますが、正式名称は『神宮』。
天照大御神(あまてらすおおみかみ)を祀る『内宮(ないくう)』と、豊受大御神(とようけのおおみかみ)を祀る『外宮(げくう)』を中心とした125のお宮の総称です。
その敷地は非常に広大で、神宮備林なども全て合わせると約5,500ヘクタールもの広さになります。
神社は日本全国に8万以上あると言われていますが、伊勢の『神宮』はその中で最も尊く、日本の神社の原点とも言える存在だと覚えておきましょう。
伊勢神宮の歴史
伊勢神宮の創建は非常に古いため、具体的な年代を確定するのは難しいです。ただ、2000年以上前に創建されたことは確実とされています。
伊勢に鎮座するまでの歴史
もともと天照大御神は代々天皇の側でお祭りされていましたが、第10代崇神天皇が皇居外に祀ることを決意。これにより現在の奈良県周辺に移ります。
第11代垂仁天皇の皇女・倭姫命(やまとひめのみこと)が、お祀りするのにより良い場所をもとめ、伊賀、近江、美濃などの国々を巡り、最終的に伊勢に入ります。
『日本書紀』によると、伊勢入りした際に天照大御神から、
この神風の伊勢の国は、遠く常世から波が幾重にもよせては帰る国である。都から離れた傍国ではあるが、美しい国である。この国にいようと思う。
とのお告げがあったそうです。
ざっくりいうと、「都からは遠いけど、いい国だからここにいたい。」という意味です。
倭姫命は大御神の教えのままに五十鈴川の川上に宮をお建てたとされています。
伊勢神宮の文化
自然
伊勢神宮は自然を大切にする日本古来の文化を体現しています。
境内の森林はご神木として神聖視され、樹齢数百年を超すであろう木々が林立している光景は圧倒的。その豊かな自然環境と神殿に日本の原風景を見ることができます。
信仰
伊勢神宮への参拝は、古代から続く重要な文化的習慣で『お伊勢参り』とも呼ばれます。
特に江戸時代には庶民にも広く普及し、一生に一度は伊勢神宮に参拝することを目指す人も多かったと言います。
当時の参拝は、二見浦(二見興玉神社辺り)で禊をして身を清め、その後に外宮と内宮を参拝し、最後に朝熊岳に登る、という流れで行われていました。
伊勢神宮に祀られている神様
伊勢神宮の内宮、外宮に祀られている神様について解説します。
内宮の御祭神
内宮の正宮(しょうぐう)に祀られているのは皇祖神と言われる『天照大御神』です。
正式には皇大神宮と言い、皇室の御祖先であり、日本国民における総氏神として崇められる神様です。
内宮の域内には、天照大御神が祀られている正宮の他に2つの別宮が鎮座しています。
- 荒祭宮
-
天照大御神の荒御魂(あまてらすおおみかみのあらみたま)
- 風日祈宮(風を司る御祭神)
-
- 級長津彦命(しなつひこのみこと)
- 級長戸辺命(しなとべのみこと)
外宮の御祭神
外宮の正宮に祀られているのは『豊受大御神』という天照大御神の食事を司る神様です。
五穀豊穣、衣食住をはじめとした産業の守り神と言われています。
外宮の域内には、豊受大御神が祀られている正宮の他に3つの別宮が鎮座しています。
- 多賀宮
-
豊受大神荒御魂(とようけおおかみのあらみたま)
- 土宮(地元・山田原の鎮守神)
-
大土乃御祖神(おおつちのみおやのかみ)
- 風宮(風を司る御祭神)
-
- 級長津彦命(しなつひこのみこと)
- 級長戸辺命(しなとべのみこと)
伊勢神宮に参拝する際の注意点
伊勢神宮では特別な神社ゆえ、他の神社参拝と少し異なる点があります。いくつかの注意点があるので、参拝前に必ず抑えておきましょう。
注意点①:内宮を参拝する前に外宮を参拝する
神宮の祭典は、まず外宮で祭儀が行う『外宮先祭』と言われる習わしがあります。その順序にならい、外宮から参拝するのが一般的です。
また、内宮・外宮どちらかしか参拝しないことを『片参り』と言います。あまり縁起が良くないと言われるので注意しましょう。
注意点②:正宮でのお賽銭は禁止
二礼二拍手一礼といった参拝方式は普通の神社と変わりませんが、大きく違う点としては正宮での『お賽銭禁止』が挙げられます。
本来、伊勢神宮は皇祖神である天照大御神をお祀りするところであるため、天皇以外が幣帛(へいはく)をお供えすることを禁止した『私幣禁断』という制度がありました。
現在では一般人も参拝できるようになりましたが、当時の名残で正宮にお賽銭箱はありません。
しかし、それでもお賽銭投げ入れる人が多いことから、神殿を守るために白い布が敷かれるようになったと言われています。
お賽銭したい場合は正宮参拝後の別宮参拝の時にしましょう。
注意点③:個人的なお願いごとは避ける
一般的には神社に参拝すると、『無病息災』『家内安全』といった個人的なお願いをするかと思います。
しかし、上記で少し触れた通り、本来天皇が天照大御神に国民の幸せを祈るお宮であるため、個人的なお願いをすることはあまり良くないと言われています。
ではどういったことをお願いすればいいのでしょうか?
- 皇室や国家の弥栄(繁栄)
- 日々の暮らしへの感謝
参拝した際は、上記のように個人よりももっと大きな『公』を意識して祈りを捧げましょう。
伊勢神宮の式年遷宮とは?
伊勢神宮は『式年遷宮(しきねんせんぐう)』という伝統的な神事があります。
これは20年ごとにお宮を一から建て直し、神々を新たなお宮に移す儀式です。この儀式は『再生』『蘇り』『永遠』の象徴でもあり、少なくとも7世紀から続いています。
式年遷宮が近づいたお宮は自然と一体化したような荘厳さがありますが、式年遷宮後の建て替えられたお宮は神々しい輝きがあります。
そんな式年遷宮前後のお宮の違いを楽しめるのも、伊勢神宮の魅力の1つです。
まとめ
今回は伊勢神宮に参拝する前の基礎知識を解説しました。
あくまで『はじめての参拝』を想定してこの記事を執筆しましたが、神社の中でも最も歴史が深く、とても重要な存在であることから、まだまだ知っておきたい情報は山程あります。
もし興味を持っていただけたら、本記事を執筆時に参考にさせていただいた以下のサイトも是非ご覧ください。より伊勢神宮についての理解を深めることができますよ。